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第320回:トランプ大統領 米就業者数下方修正で統計局長を解任

第320回:トランプ大統領 米就業者数下方修正で統計局長を解任

7月米雇用統計で5月分、6月分を大幅下方修正

25年8月1日朝日新聞は『関税で米雇用失速か 就業者数が25万人超過大 ダウ急落、円は急騰』を報じている。

『米労働省が1日発表した7月の雇用統計は、景気動向を反映しやすい非農業部門の就業者数(季節調整済み)が前月比7万3千人増だった。市場予想の11万人増を下回った。失業率は4.2%で、前月から0.1ポイント小幅に悪化した。14万4千人増とされていた5月の就業者数は1万9千人増、14万7千人増の6月は1万4千人増にそれぞれ大幅に下方修正された。

米連邦準備制度理事会(FRB)は7月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、雇用情勢は底堅いとして、5会合連続となる利下げを回避していた。だが実際の就業者数は、5月と6月で計25万8千人分過大だったことになる。米政権の関税政策による不透明感が、雇用を失速させている可能性がある。この結果を受け、1日のロンドン外国為替市場では、雇用統計を受けてFRBが利下げに動くことが強く意識され、1ドル=150円台で取引されていた対ドル円相場は147円台まで一気に2円強も円高になった。米ニューヨーク株式市場では主要企業でつくるダウ工業株平均が、取引直後から500ドル以上下落した。』

また、2025/8/3産経新聞は『米、労働統計局長を解雇 雇用統計「改ざん」主張のトランプ氏命令受け 米紙報道』を報じている。

『米紙ニューヨーク・タイムズは2日、労働省労働統計局長のマッケンターファー氏が解雇されたと報じた。同局幹部が1日夜、局長の解雇と副局長が代行を務めることを認めたとしている。

トランプ大統領は1日、7月の雇用統計で過去の就業者数を大幅に下方修正したことなどに不満を示し、一方的にマッケンターファー氏の改ざんを主張し、解任を命じていた。(途中略)マッケンターファー氏はバイデン前大統領に指名され、昨年1月に局長に就任した。(途中略)』

2025/07/07『6月のADP米雇用3.3万人減と2年3カ月ぶり減少』のT-Modelコラムにおいて、

『6月の米雇用統計の非農業部門雇用者数が前月比14.7万人増加と市場予想11万人増加を上回ったのに対し、ADP雇用統計は3万3000人減少と23年3月以来、2年3カ月ぶりに減少した。この差は何かというと政府部門にある。トランプ政権によるリストラの影響で連邦政府職員は6月-7000人と減少傾向にあるが、それを州・地方政府の雇用が増加で吸収しているためである。

米国雇用統計は米労働省による調査と民間企業によるADP雇用統計の2種類があり、米国雇用統計は約40万社の全米の家計調査(政府機関含む)や事業所調査を基に集計、失業率は家計調査を基に算出し、非農業部門雇用者数には政府機関の雇用も含まれる。一方、ADP雇用統計はADP社の顧客50万社(政府機関は含まず)自社顧客の給与データを基に集計、失業率は企業データを基に算出、非農業部門雇用者数には政府機関の雇用は含まれていない。従って、ADP雇用統計は労働省が発表する非農業部門雇用者数(NFP)の民間部門との相関性が高いとされており、雇用統計の先行指標としても注目されている。 実際、米雇用統計とADP雇用統計の非農業部門雇用者数(3か月平均)を比較すると、民間部門の先行指標的色彩の強いADP雇用統計はコロナで落ち込んだ非農業部門雇用者数を下回り、雇用環境は悪化の兆しが表れている。

また、失業率も4.1%と前月よりも改善したが、これはトランプ政権により不法移民の一斉強制送還を進め、労働参加率が低下した影響が出たためで雇用環境が良くなったわけではない。6月米雇用統計発表をうけて、金融市場は雇用改善と解釈してか、FRBの早期利下げ観測が弱まり、金融政策の動向を映す米2年債利回りが上昇(債券価格は下落)した。楽観視するほどの雇用統計でないのだが・・。』と指摘した。

トランプ大統領は7月米雇用統計の「改ざん」を主張し、労働省労働統計局長のマッケンターファー氏の解雇を指示し、実際、解雇された模様だが、 バイデン政権時代からT-Modelでは、2024年11月の大統領選挙のために米雇用統計の「改ざん」の可能性をあらゆる角度から指摘しており、改めてトランプ大統領がそれを認めたことになる。

以前にもご紹介したT-Model理論では、「非農業部門雇用者数」と連動性の強いのが「米国ISM非製造業総合景況指数」であるというものだった。「事業所ベース」の「非農業部門雇用者数」と「米国ISM非製造業総合景況指数」はまだまだ大きく乖離しているが、「家計調査ベース」の「非農業部門雇用者数」との乖離はほとんど見られないことから、どちらの「非農業部門雇用者数」が景気の実態を示しているかが明らかだろう。今回の5月、6月の大幅に下方修正はT-Model理論からは当然の修正なのである。

注目は8月以降の米雇用統計で、トランプ大統領のプレッシャーのもと、「改ざん」されてきた米雇用統計がどう変化するかだが、「改ざん」の上塗りにならないことを期待するが、どうなるだろうか・・。

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